「活動計画」ができれば、「分析・課題の抽出、骨子や重点施策の策定」と進めてきた「経営計画」づくりの前半戦が終了です。
「損益計画」や「資金収支計画」を作成する前に、ここで、改めて全体を俯瞰し、計画の整合性と実現可能性について点検します。
この作業は、計画を実行する現場の責任者も交えて行うことが大切です。現場の責任者から修正すべき点の指摘等があれば、それを検討し必要があれば修正します。経営計画を絵にかいた餅に終わられないために、現場の意見を取り入れ、現場の計画に対する参画意識を高めておくことが大切です。
先に登場したモデルケースの喫茶店については、「活動計画」までを含めた全体計画は次の通りとなりました。
1.誰に、何を、どれだけ売るか
2.強み・弱みの分析から問題点と課題(解決策)を抽出する。
3.経営計画の骨子
4.重点施策と活動計画
この喫茶店の場合、「目的」に向かって、3年後の売上高を1千万円とする「目標」を達成するためのKFS(Key Factor for Success)(成功の鍵)は何でしょう? この計画では、定番となるイタリアンの人気メニューを開発することであり、具体的には他の店に無いような美味しいピザメニューの開発を候補としてあげています。
このような計画達成のためのKFS(成功の鍵)となるような「重点施策」については、これを点検し「活動計画」もある程度具体的に詰めておく必要があります。
この喫茶店の場合、まず、新メニューの開発とそのために必要な研修活動などについて、店長みずから行う時間を取れるかという問題がありましたが、パートナーが「昔からピザを焼いてみたいと思っていた」との意見を表明したため、パートナーがその役割を担うこととしました。
次に、他店との差別化を図るために、ピザを焼く石窯を導入することを検討しました。設備が高額、屋内設置の場合排気等のために改装が必要、火を絶やさないためのランニングコストが高額、など多くの問題点が抽出されましたが、これらの問題を解消するような新しいオーブンの機械をネットで見つけることができました。
この設備を導入して、顧客が何度も食べに来てくれるような美味しいピザを焼くところまで到達できるかが、この喫茶店の場合の最大のKFS(成功の鍵)と言えるでしょう。
この設備の導入資金については、低利息の融資を受けることも検討しましたが、補助金の活用ができる可能性があることが分かったので、その点についても「活動計画」に含めています。
こうして計画全体の整合性がとれ、KFS(成功の鍵)となる「重要施策」についても点検し、具体的な「活動計画」として落とし込めたので、次回からは、経営計画の計数的な側面である「損益計画」「貸借対照表計画」「資金収支計画」の作成に入ります。
このような経営計画は役に立たなくなる可能性があります |
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そのK |
KFS(成功の鍵)について詰め切れていない |