前回まで、「重点施策」は“誰が”“いつまでに”やるか(あるいは見直すか)を明確にし、「活動計画」に落とし込んでおく必要があると書きました。
今回は「活動計画」をどのように記載するのが良いかについて考えます。
“誰が”“いつまでに”やるか
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重点施策 ==========➡ 活動計画
「活動計画」は、矢印線などを使い、タイムチャートのように書くと分かりやすくなります。
重点施策(または活動)・担当者(または担当部署)の横に、実施日(または月・四半期・年)を矢印で記載し、一覧表とします。
どの「活動」の前にどの「活動」を終えておかねばならないか、また、やるべき「活動」が一時に重なり過ぎていないかなどをチェックし、調整します。
この時、予算総額と、年間のコスト(費用)を表に記入することで、その後の「損益計画」や「資金計画」の作成に繋げることができます。
下記の例は、「新製品〇〇の発売」という重要施策を実施するために必要な、四つの活動計画を並べたものです。(上段の数字は年間コスト)
施策 | 担当 | 総 予算 |
〇〇年度 | 〇〇年度 | 〇〇年度 |
新製品 〇〇 の開発 |
△△ | 600 | 400 ==⇒ 一次試作 |
200 =⇒ ★ 二次試作 |
発売 |
□□□ 設備の 導入 |
△△ | 4000 | ==⇒ 検討 |
800 ⇒★ 購入 |
800 |
ネット 販売 開拓 |
□□ | 600 | ==⇒ 検討 |
200 =⇒★ 契約 |
400 |
補助金 or資金 借入 |
〇〇 | ===⇒ 検討 |
⇒★ 手続き |
この「活動計画」作成の段階で、「重点施策」の“狙い”と“コスト”が見合っているか? の概要について検証しておきます。
新規事業や新製品発売などを「重点施策」としている場合は、その売上から得られる売買利益(または限界利益)で、コスト(要する費用)が賄えるか、あるいは当初赤字であっても何年目で黒字化するかといったことを概算で見積もり、その「重点施策」に本当に取り組むべきかについて検討を加えておきます。
品質改善やコストダウンについて「重点施策」を挙げている場合は、その狙いとする品質改善やコストダウンの目標値をできるだけ数値化しておき、そのために要するコストとのバランスを見ておきます。しばしば、これらに費やす会議などの目に見えないコストが掛かりすぎて本末転倒になることもあるので要注意です。
「重点施策」とこれを具体化した「活動計画」は、実際に現場で実行する前には、「実行計画」(アクションプラン)として詳細を作成し、社内的な承認手続き(稟議・役員会議など)を経る場合が多いのですが、中期経営計画の段階でも概要を示しておくことが大切です。
それは、「損益計画」や「資金計画」の作成に必要なだけてなく、後日説明する「予算実績管理」などのマネジメントの手法を実施するための基準として必要だからです。
このような経営計画は役に立たなくなる可能性があります |
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そのJ |
重点施策の“狙い”と“コスト”が見合っていない |