経営計画の「目標」を定めることと並行して定めるものは、「方針」です。
経営方針や事業方針といったもので、既に決められたものがある会社もあるでしょうが、経営計画を作るにあたって経営計画期間において特に重視する「方針」を定めます。
「方針」には、「目的」に向かって、「目標」を達成するために、特に重視すべきこと、守るべきこと、あるいはやってはいけないことを定めます。
例えば、売上目標を達成するためには、どんな手段を取ってもよい訳ではなく、売上目標が達成できても、利益が出ていないのでは元も子もありません。
また、売上と利益を上げるために、品質をおろそかにしたり、従業員の健康を害しては、長期的には経営の悪化を招くでしょうし、「目的」に定めた姿にはならないでしょう。
そういうことにならないように、「目標」を立てる際に重視すべきことを明確にするとともに、「目標」を達成するための施策や活動を行う際に重視すべきことを、「方針」として定めて明確にしておきます。
具体的には、次のような事柄で、自社の「目的」にかなったものを「方針」として定めておきます。
・売買利益率は、〇〇%以上を確保する。売上値引率を増やさない。等。
・製品の品質は今の水準より落とさない。返品率を下げる。等。
・外部仕入の比率を抑え、自社製品の比率を高める。あるいは逆に外部仕入の比率を高める。等。
・材料は国内産にこだわる。地元産の食材にこだわる。等。
・営業時間を延ばさない。残業時間を減らす。等。
・売掛金の回収期間を延ばさない。与信管理を徹底する。等。
・在庫を増やさない。在庫を〇〇円削減する。等。
「方針」が定まれば、「目的」「目標」「方針」が、うまく噛み合っているか、もう一度見直してみましょう。
前回までの喫茶店のモデルケースでは、次のとおり「方針」を定めました。
・営業時間は、午後9時までとする。
・材料比率65%を確保する。
「目的」「目標」「方針」は、次の通りとなりました。
経営計画の骨子は、今回までです。 次回からは、経営計画の骨子に沿って、どのような施策を経営計画に組み込んでいくかについて書いていきます。
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