前回、重視すべきポイントの三つ目は、大きな目標(大目標)には、これに合わせて一段階細分化した目標(中目標)を立てておくということを書きました。
このことについて、もう少し考えてみましょう。
創業期の計画を除いて、経営計画は、基本的には経営を革新あるいは改善し、会社を変革していこうとするために作成するものです。
そしてそのために、人・物・金・情報といった会社の持つ資源の配分の仕方をどう変えていくか、どのような施策に重点を置くかといったことを明確にしていくものです。
(資源配分と、重点施策については、後日記載します。)
従って、設定する「目標」には、その改善し、変革しようとする事柄について、期限と目標値が定められ、その実施状況がチェックできるようにしておくことが大切です。
(目標と実績の管理方法についても、後日記載します。)
例えば、大目標として、3年後の売上高1億円と設定した場合に、現在の売上高が6千万円としたら、年率20%程度の伸びが必要となります。
このままでは、とても無理だなと思える訳ですが、今まで開発してきた期待の新製品が1年後位に完成予定だとします。
このケースでは、下記のように設定してみます。
[大目標]
@3年目売上高1億円。
A新製品Yを2年目の5月に上市。
[中目標]
@既存製品売上高
(1年目) (2年目) (3年目)
63,000千円 67,000千円 70,000千円
A新製品Y売上高
(1年目) (2年目) (3年目)
0千円 15,000千円 30,000千円
また例えば、経常利益を大目標とする場合には、営業利益を中目標として設定しておくべきです。
資金繰りを考えるときは、経常利益が黒字になることは極めて大切ですが、為替益や雑収入を加えてやっと黒字なのか、本業の営業利益で黒字なのかは大きな違いがあるからです。
従って、そうした営業外損益の影響を受ける前の営業利益段階で目標を設定しておくことは、計画と実績の管理面で極めて重要です。
また例えば、飲食店など消費者向けのサービスや小売店ならば、客単価、および顧客数について、それぞれどれくらいの数値にするかを中目標として設定するのも効果的です。
前述の喫茶店のモデルケースでは、次のように「目標」を設定してみました。
[大目標] @3年目売上高1千万円。
Aイタリアンの人気メニューを3年目の年初までに定番化。
[中目標]
@売上高
(1年目) (2年目) (3年目)
7,000千円 8,500千円 10,000千円
A平均客単価
(1年目) (2年目) (3年目)
600円 700円 800円
×客数(一日当り)
×39人 ×41人 ×42人
次回は、「方針」について記載します。
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