“強み”“弱み”の分析や、問題点・課題(解決策)の整理は、経営計画を作るための「前提条件の整理」です。 この「前提条件の整理」の作業を通じて明確になってきた自社の特徴に合わせて、「経営計画の骨子」を作成します。
「経営計画の骨子」は、「目的」「目標」「方針」の三つにまとめます。
「目的」については、
@何のために経営計画を作成するのか? という視点と、
A何のために経営するのか? という視点があります。
「経営計画の骨子」としての「目的」は、Aの視点のことを言いますが、その前に@の視点について少し触れておきます。
@の「何のために経営計画を作成するのか?」については、下記のように様々な目的がありますが、いずれにしても「進むべき道を正しく判断し明確に示すため」と言えます。
(1) 融資を受ける金融機関に提出するため
(2) 社員の経営参画意欲を高めるため
(3) 経営の革新を組織的に進めるため
(4) 予算作成の土台となる基本的な計画を作るため 等々
Aの「何のために経営するのか?」については、通常「企業理念」や「経営理念」としてまとめられているものです。
「企業理念」は、会社が最も大切にする基本的な考え方であり、会社の目的や存在意義、進むべき方向性や価値観等を言葉で表現したものです。
「経営理念」は、経営を行う上で最も大切にする基本的な考え方であり、経営の目的や重視する価値観、進むべき方向性等を言葉で表現したものです。
どちらの言葉を使うかは、作成する人の立場や目的により適切な方を選べば良いでしょう。
「経営計画の骨子」としてまとめる「目的」については、「企業理念」や「経営理念」が既に作成されている場合は、これらの理念の下で、「その経営計画の期間に目指すべき姿」として「経営の目的」または「事業の目的」をまとめます。
「企業理念」や「経営理念」がまだ作成されていない場合は、これらを一緒に作成するつもりで意識しながら、「経営の目的」または「事業の目的」を作成します。
「企業理念」や「経営理念」については、多くの企業が作成していますので、最初はその中から自らの理念として気に入ったものを真似して作成するのも一つの手です。
前述の喫茶店のモデルケースでは、
「経営理念」は、「おいしい飲み物と軽食を提供し、居心地の良い喫茶店として地元の人に愛される店を目指します。」というものを想定しました。
家族経営のため、あまり手の込んだ料理を提供することは避け、それでも味と居心地の良さで地元の人に愛される店を作りたい、という存在意義や方向性を表現しました。
中期三か年経営計画における「目的」は、「おいしいコーヒーと軽食イタリアンを提供し、地元の人が何度も行きたくなる居心地の良い喫茶店をつくることで、家族の安定した生活の基盤をつくる。」としました。
「経営理念」の下で、三年後を想定した「事業の目的」として、コーヒーと軽食イタリアンを売り物とするスタイルの喫茶店に的を絞り方向性を明確にした上で、家族の生活の基盤をその期間にしっかりしたものにするのだという想い、価値観を入れました。
次回は、この「目的」を実現するため、どういう「目標」を設定するのかということについて触れていきます。
役に立つ経営計画はオーダーメイドです。どんなサポートをお求めか「問合せ」てください。
★このページとの関連の深いページ
経営計画の骨子A 〜目標(1)〜
経営計画の骨子B 〜目標(2)〜
経営計画の骨子C 〜方針〜
★経営計画のヒントの全体構成
自社の分析 経営計画の骨子 重点施策と活動計画 KFSの点検 損益計画 貸借対照表計画 資金繰り計画 全体の整合性確認 推進体制づくり 予算化 予実管理