ジャパンのプロラグビーチーム「サンウルブズ」のスーパーラグビー参戦3年目が、2/24に秩父宮ラグビー場で開幕した。
相手は、オーストラリアのブランビーズ。昨年、オーストラリアカンファレンスで首位の強豪だ。
前半は素晴らしいトライが3つあり、19:15で勝っていたが、後半はノートライで結局、25:32で敗戦。
負けたのは残念だが、7点差以内の負けに与えられるポイント1を獲得。強豪と互角の手ごたえの感じられる試合であった。
2018年のサンウルブズのチームスローガンは「5 FOR TOP 5 IN 2018」。今年は、スーパーラグビー15チームの5位以内に入るという目標だ。
これは「5 BEYOND 2019」の組織スローガンの下、5年以内にスーパーラグビーで優勝するという目標の一環だ。
【サンウルブズ公式ホームページより】
一昨年1勝、昨年2勝のチームにしては、大きいことを言いすぎではないかと思われるかもしれないが、今年の5位以内は充分期待できると思う。
理由をあげてみたい。
- 昨年までは、サンウルブズは南アフリカカンファレンスに所属しており、アウェーの試合の多くは移動に丸一日以上かかる南アフリカ共和国であり、さらにホームゲームの半分がシンガポールであったことにより、他のチームと比べて圧倒的に長い移動距離と時間を強いられる環境にあった。
- そのため、トレーニング時間の不足により、フィットネスとフィジカルの両面で充分に鍛えることができず、体力面で他チームに劣ることとなった。
- また、選手の疲労回復が十分でなかったこともあり、怪我人が続出。交代要員の数も減って休む間もなく、また怪我人が出るという悪循環に陥った。
- 2015年、ワールドカップの後、国内のトップリーグ、そしてスーパーラグビーと連続して公式戦が続いたことにより、主力級が疲弊し、また回復のために長い休養を要したことなどから、何人かの主力選手達の力量が落ちていた。
- トップリーグの決勝戦からスーパーラグビーの開幕まで短期間しかなく、チームを作り上げる練習期間がとれなかった。
ここまでは、昨年までのマイナス要因をあげたが、これらが次のように改善された。
- 今年から、オーストラリアカンファレンスに加わったことにより、移動距離と時間が大幅に削減される(それでも全チーム中最も長い移動距離だが)。時差の悪影響も減る。
- サンウルブズのヘッドコーチに、ジャパンのヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏が就任し、一貫した考えのもとに選手を起用し、調整させ、指導することができる。
- 一時調子を落としていた主力級の選手達が、昨年のトップリーグを見る限り、ほぼ調子を戻している。
- トップリーグのスケジュールを早めに切り上げ、開幕前に一か月近くの合宿による準備期間をとることができた。
そして、次のような明るい要素がある。
- ウイングの福岡堅樹、フルバックの松島幸太朗、センターのティモシー・ラファエレ、bWのヴィリー・ヴリッツなど、主力選手の成長が著しいこと。
- スクラムハーフの流大、フランカー兼ロックの姫野和樹、ウイングのレメキ・ロマノ・ラヴァなど、若手の期待の選手が加わったこと。
- ロックのグラント・ハッティング、サム・ワイクス、センターのシオネ・テラウパ、フルバックのゲラード・ファンデンヒーファーなど、2019年までにジャパンの資格を得ることのできる有力な外人が加わっていること。
- フッカーのジャバ・ブレグバゼ、スタンドオフのヘイデン・パーカーなど、ジャパンの資格は取れないものの、国際的に実績が認められている有力選手が加わっていること。
- そして、ジャパンに復帰した2015ワールドカップ時の主将、リーチ・マイケルが、ニュージーランドのチーフスから移籍しサンウルブズに加わったこと。
これらにより、現在、他のチームでは見られない8か国、全46名の選手が集まっており、この中から23名の出場選手を選ぶことができるという、選手層の厚さを備えることができた。
流大と共同主将を務めるヴィリー・ヴリッツによると、バックボーンの違う選手達が、互いにレスペクトし合って、十分なコミュニケーションをとっているという。
初戦は、田村優、福岡堅樹、松島幸太朗などが、怪我で欠場したこともあり、初めてサンウルブズに参加した外国人選手の出場が多かったので、馴染みの顔が少なくやや寂しい感じもしたが、チームとしては良くまとまっていたと思う。
我々がリーチ・マイケルやアマナキ・レレィ・マフィを、ジャパンチームの代表的な選手と感じているように、新しく参加した外国人選手達も活躍を続けてくれればすぐに、我々のサンウルブズの一員だと感じるようになると思う。
今年のサンウルブズが楽しみだ。
サンウルブズの次の試合
3月3日(土曜) 対レベルズ(オーストラリア) 13:15 秩父宮ラグビー場にて
サンウルブズ公式ホームページ
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ラグビーワールドカップ2019日本大会の公式ホームページ
日本ラグビーフットボール協会 公式ホームページ