11月19日、フランスで行われたラグビー日本代表とトンガ代表のテストマッチは、39:6で日本代表が快勝した。
勝因の第一は、ラインアウトとスクラムの安定。特にラインアウトは最近スロワーとジャンパーが合わず、マイボールを失うことが多かったが、この日は全てのマイボールを取れた。 相手ゴール前ではラインアウトからのモール攻撃で、相手のシンビンの反則を誘ったり、モールからのトライを奪うことができた。
勝因の第二は、ディフェンスが良かったこと。重量級のトンガの選手達の突進を、速いディフェンスラインと気迫のタックルで良く止めた。 具智元や真鍋伸弥は、大きなトンガフォワードの突進を身体で受け止め、押し戻して倒していたし、福岡堅樹や流大は、ゴール寸前の相手を後ろから追いかけ危機一髪で倒した。
マン・オブ・ザ・マッチは、2トライのレメキ・ロマノ・ラヴァであったが、出場した23人全員がそれぞれの役割をほとんど完璧に遂行できていた。
One for all,All for oneを体現する、良い試合だった。
ラグビーは、15人がポジションごとにかなり違った役割を持ち、それぞれが与えられた役割を遂行できるよう練習で磨き上げ試合で発揮する。
この試合は、個人のスキルが、チームワークの中で、見事に機能していたと思う。
ラインアウトのスロワーとジャンパーの息は合っていたし、スクラムは8人がまとまり押し負けていなかった。
パントを蹴るキッカーとボールを追いかける選手のタイミングも申し分なかった。
タックルは、一人がはずされても二人目三人目が次々とタックルに行きトライを許さなかった。ラインディフェンスも揃っていた。
チームワークとは何だろう?
個人が集まってチームをつくり、個人の能力の足し算以上の力をチームとして発揮すること。
そのためにチーム練習を積むことはもちろん必要だが、それ以上に大事なことは一人一人がそのチームの求めるスキルとフィジカル(身体能力)とフィットネス(持久力)を、試合で発揮できるよう準備することだ。
個々が強くあってこそ、チームワークを高めて強いチームを作ることができる。
ジャパンの世界ランキングは11位で、トンガは14位。 最近のテストマッチは敗戦が続いていたが、同レベルの国相手なら、チームとしてまとまりミスの少ない試合ができるように成長してきた。
だが、より強い相手に対して、十分なフィジカル(身体能力)とフィットネス(持久力)の準備が整ってきたかというとまだ課題は多い。
2019年ワールドカップで同じ一次リーグに所属することとなるアイルランド(現在ランク4位)やスコットランド(現在ランク6位)は強い。 先週、アイルランドは南アフリカに38:3で勝っているし、スコットランドは今週、ニュージーランドと17:22の接戦を演じている。
ジャパンも今週26日のフランス(現在ランク8位)に勝つことで、チーム力の上昇が確かなものであることを証明して欲しい。
気迫とチームワークで勝利してくれることを期待する。
次の日本代表(男子15人制)の試合
11/25(土) 対 フランス代表 @フランス ナンテール 11/26 4:45〜日テレ 生中継
11/26 4:30〜Jスポーツ1 生中継
楕円球 〜日々思う〜 バックナンバー(ラグビー狂の筆者が、ラグビー日本代表へのエールを通じて、ラグビーの魅力を語ります)
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