トップリーグ10月7日の、神戸製鋼VSキャノン戦、26対31でキャノンがこれまで全勝の神戸製鋼を破った。
最後の数分間は、神戸製鋼がキャノンを攻め続けて、同点もしくは逆転するのは時間の問題のように感じられたのだが・・・
ゴールライン間際で何度も繰り返される神戸製鋼の突進を止めたのは、今年で引退することを表明したロックの菊谷崇37歳。それも決定的な場面で2度。
味方のタックルの直後、ラックのボールを身を挺してジャッカル、相手の反則を誘った。
菊谷は、今年はロック(4・5番)で登録されているが、ジャパンの代表チームでは長くbWを務めていた。2011年ワールドカップでは主将でもあった。
bWは、スクラムの一番後ろでスクラムをまとめて押し込む役目。ラインアウトではロックに続いてジャンパーになることも多い。 スクラムサイドの攻防では大きな身体とスピードを生かして豪快に突進し、また相手のスクラムサイド攻撃では身を挺して相手を浴びせ倒すようなタックル。
チームでは大抵、ロックと同様に背が高く、その上ガッチリ体型で、しかも足が速い。万能型選手のタイプで、見るからに頼りがいがあり、実際に逞しく頼りになる。そんなポジションだ。
シナリ・ラトゥ、ホラニ・龍・コリニアシなど、アイランダー系の外国人がこれまでのジャパン代表チームのbWの典型である。
日本人では、箕内拓郎(菊谷の前のジャパン代表チームの主将)や菊谷であるが、身体のサイズや逞しさ、強引な突破力では物足りなかった。今の日本人選手では、ヤマハの堀江恭佑(27歳)が最もbWらしいかと思う。
2015年のワールドカップ以降のジャパン代表チームのbWは、アマナキ・レレィ・マフィ(27歳)。
ワールドカップでは、怪我からの復帰明けではあったが、強引な突破力で大活躍した。 現在は、NTTコミュニケーションズと、スーパーラグビーのレッズのbWを掛け持ち。
アマナキ・レレィ・マフィのことを書くと長くなるので、別の機会にしたい。
今日は、菊谷崇の話。この日がトップリーグ通算150キャップ。150試合目の出場である。歴代4人目。 その記念式典が試合終了後すぐに行われた。下の写真がそれ。菊谷が好かれているのが、皆の表情から見て取れる。
100キャップ目の選手に対しても、同じようにセレモニーが行われるが、トップリーグではいつも両チームの選手達が一緒にカメラに写って祝う。
それも仲良く談笑し、ニコニコしている場合が多い。 あれだけ激しく戦った試合の直後にだ。
これがノーサイドの精神だと思う。
野球やサッカーでは、あまりこのような光景は見かけない(私が知らないだけかもしれないが)。
スタンドの観客も野球やサッカーと違って、応援チームの棲み分けは少ない。一塁側・三塁側に分かれるようなことはしない。(トッフリーグは企業チームなので、所属チームの企業の応援団が固まって太鼓を叩いたりしているがこれは例外。私はあまり好きでない。)
通常、敵味方の観客が入り混じっており、それぞれ酒を飲んでいても、決して観客同士けんかすることはない。 そして、試合が終わればノーサイド。観客同士も仲が良い。
これはラグビー発祥の地、イングランドも同じ。サッカーの観客のフーリガンがあんなに喧嘩好きなのと対照的。
皆、ほんとうにラグビーが好きなのだ。
トップリーグ公式ホームページ
次の日本代表(男子)の試合
10/28(土) 対 世界選抜 @福岡 レベルファイブスタジアム
11/ 4(土) 対 オーストラリア代表 @横浜 日産スタジアム
11/18(土) 対 トンガ代表 @フランス トゥールーズ
11/25(土) 対 フランス代表 @フランス ナンテール
楕円球 〜日々思う〜 バックナンバー(ラグビー狂の筆者が、ラグビー日本代表へのエールを通じて、ラグビーの魅力を語ります)
ラグビーワールドカップ2019日本大会の公式ホームページ
日本ラグビーフットボール協会 公式ホームページ