2019ラグビーワールドカップの抽選会が、5月11日京都で行われました。
(ラグビーワールドカップ2019 日本大会公式サポーターズクラブ メールマガジンより)
一次リーグは、現在世界ランキング4位のアイルランド、5位のスコットランドと同じA組に入ることとなりました。この抽選結果については、現在の世界ランキング1位のニュージーランド、および2位のイングランドと別の組になったことで、まずは幸運なクジを引いたと言えるでしょう。
しかし、2019年ワールドカップの本番で、アイルランド、スコットランドに勝つこと、および予選リーグから勝ち上がってくる2チーム(今のところの予想では、ルーマニアとトンガかサモアあたり)に勝ち、一次リーグを4勝0敗または3勝1敗で、決勝トーナメントに勝ち上がることは容易ではありません。
アイルランドは、昨年ニュージーランド オールブラックスの連勝記録を止め、今年イングランドの連勝記録を止めた強豪です。またスコットランドは、2015ワールドカップで唯一敗れた相手であり、また昨年6月のテストマッチで日本代表が2連敗した相手です。
日本のラグビーは最近、2015年ワールドカップの厳しい戦い、およびその後のサンウルブズのスーパーラグビー挑戦を通じて、非常に成長しています。 強豪チームと当たっても、ゲームの途中まで「勝てそう」と思わせる、面白いラグビーを沢山演じてくれています。 しかし、ラグビーに国の威信をかけた強豪チームとのワールドカップでの戦いにおいて勝利することができるかという点で言えば、まだまだ物足りないものがあります。
特に、「厳しいぎりぎりの接戦の中で試合を勝ち切ることができるか」という点で、勝ち切るために成長せねばならない部分が沢山あると思います。 ラグビーではトライ&ゴールで得られる7点差以内は接戦と言えますが、昨年6月のスコットランド戦は16対21で敗れ、11月のウェールズ戦は30対33で敗れました。 サンウルブズも7点差以内の接戦を多く演じていますが、勝ち星は昨年のシーズンから数えてまだ2勝です。
接戦をなかなか勝ちきれないのは、ゴールライン間際のディフェンスにおいて、体力とパワーに勝る相手の強引な攻撃を止めきれないこと。および、ゴールライン間際のアタックにおいては、体力とパワーに勝る相手の集中力を増した組織ディフェンスを崩しきれないことにあります。
2015年ワールドカップの南ア戦において、80分を過ぎてからのゴール前での攻撃は手に汗を握るものでしたが、感動の逆転トライを取りきれたのは、フィジカル(体力とパワー)に勝る相手に対して、フィットネス(運動能力と心肺機能)・組織力・精神力で勝り、すべての選手が最高のパフォーマンスを発揮したからに他なりません。
この大会の日本代表を見て感動した私は、その後、ラグビー日本代表についての本を沢山読みましたが、ヘッドコーチのエディ・ジョーンズの指導の下、この大会に向けて日本代表が準備したことについては、ほんとうに感心しました。例えば、
・試合の方が楽だと思えるほど練習で徹底的に走りこんだこと(南ア戦は最後まで全力で走りきれた)。
・3か月前に行われたパシフィックリム選手権の国際大会を、厳しい練習でへとへとになった最悪の状態で戦わせたこと(成績は芳しくなく私たちを不安にさせたが)。
・スクラム強化の専門コーチを早い段階から呼び、日本人に合ったスクラムの組み方や、フォワード8人全員での押し方を徹底的に練習させたこと(南ア戦ではマイボールスクラムは100%成功し勝利の原動力となった)。
・格闘技の専門家をコーチに呼び、低い姿勢でのタックルと突進の練習をさせたこと(スタンドオフ小野とセンター立川のタックルを受けてからの地を這うような前進は、南ア戦での序盤大きな威力を発揮した)。
・メンタルトレーニングの専門家をコーチに呼び、選手個々の特徴に合わせた精神力の強化を図ったこと(五郎丸のキックの成功率アップに大きな貢献があったとのこと)。
これらの総合的な成果として、2015年の南ア戦では、日本代表は試合を通してミス無く戦い、少ないチャンスを確実に生かして、最後に勝ち切ることができたのです。
現在の日本代表は、4年前の日本代表と比べて、個々のフィジカルとフィットネスは確実に上回っていると思います。 2019年のワールドカップにおいて素晴らしい結果を残すために、これからの日本代表が準備していくこと。 沢山あると思いますが、その準備期間中に行っていく色々な取組みを、大いに楽しみながらこれからの日本代表を応援していきたいと思っています。
楕円球 〜日々思う〜 バックナンバー(ラグビー狂の筆者が、ラグビー日本代表へのエールを通じて、ラグビーの魅力を語ります)
ラグビーワールドカップ2019日本大会の公式ホームページ
日本ラグビーフットボール協会 公式ホームページ
作成日:2017/05/14
2019ワールドカップへの準備が楽しみ