昨年度からスーパーラグビーに参戦していてる日本チームのサンウルブズ。5月6日のアルゼンチンのブエノスアイレスでのジャガーズ戦は、残念ながら39対46で敗れました。後半の25分までは、39対27でリードしていたものの、最後の15分間は急にフィットネスが落ち、足の怪我で顔を歪めて横たわるものも続出し、3トライを許してしまいました。
この試合のサンウルブズは、後半25分まで、安定したセットプレー(スクラム&ラインアウト)に加えて、素早いパス回しと切れの良いランニングラグビーで、ジャガーズを圧倒していました。そのジャガーズは、2015年のワールドカップのアルゼンチン代表14人を含む、23人中22人が代表経験者からなる、アルゼンチン代表に準ずるチームです。
アルゼンチン代表は、2015年のワールドカップでは、準決勝でオーストラリア代表と対戦し、激しくかつスピーディなラグビーで、これぞラグビーの醍醐味というような好勝負を演じて、私たちを感動させてくれました。そのアルゼンチン代表が多くを占めるジャガーズに対して、サンウルブズはこの日、ランニングラグビーでは明らかに上回っていたのですが・・・
ラグビーは、ボールゲームですが、また格闘技でもあります。プロのラグビー選手はフィジカル(肉体とパワー)に優れた選手が、フィットネス(運動能力と心肺機能)を鍛えて勝負します。どうしてもフィジカルに劣る日本人は、フィットネスと、組織力、精神力で優らねばなりません。
ラグビーは、フロックの少ないスポーツだと言われています。それは、フィジカルの要素が強く、また80分間という長時間の試合では、実力差がハッキリと表れるからだと思います。
それまでのワールドカップにおいて、たったの一勝しかできていなかった日本代表が、2015年のワールドカップで、南ア相手にスポーツ史上最大の番狂わせとも言われる勝利を納めることができたのは、嫌われる勇気を持つエディージョーンズという戦略家の指導のもと、選手全員が、フィットネスと、組織力、精神力において、最大のパフォーマンスを発揮できたからだと思います。
一方、今回のサンウルブズは、三週間連続してニュージーランドの強豪チームとアウェーの試合を行った後、アルゼンチンに渡りジャガーズとアウェーの試合を行いました。けが人も多く、蓄積疲労により、明らかに最後の15分間のフィットネスが落ち、選手のボールへの集散が遅れ、チームディフェンスに乱れが生じました。
ボールゲームの部分では優っていても、格闘技の部分で負けてしまったとも言えるでしょう。
そのことがTV視聴者の私にも分かる試合だったからこそ、一か月の遠征を終えた後のサンウルブズには、ボールゲームとしてのラグビーの楽しさだけでなく、柔よく剛を制す格闘技としての面白さも見せてくれることを、改めて期待するのです。
サンウルブズ 次の試合・・・5月20日 シンガポールにて 対シャークス(南ア)
サンウルブズ公式ページ
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