広報活動には、社内広報と社外広報がありますが、中長期の経営計画が決定されれば、まず社内広報に取り組みます。
経営計画の目標達成のためには従業員のやる気が大切なことはもちろん、従業員が理解して実行するから意味があるのであり、理解されないまま目標が達成さても、それは結果オーライであり将来につながらないからです。
経営計画の狙いや、目標・方針といった骨子を説明するのは、トップの役割です。
特に、中長期の経営計画では、今までのやり方を変える、あるいは新しいことに取り組むといった、革新的な施策や活動を取り入れるケースが多くあり、そうした計画こそトップが情熱を込めて従業員に伝えることが大切です。
その内容を理解してもらうこと、「トップは本気なんだ」と感じてもらうことが、そうした革新的な計画の遂行には欠かせません。
社内広報の方法としては、「経営計画発表会」のようなイベントを開催し皆の集まる場で発表する方法、朝礼の場で発表する方法、あるいは「座談会」のような少人数の集まる場で説明し質問に対して丁寧に答える方法などがあります。
どの方法をとるかは、その社の状況によりますが、少人数の親族だけの会社の場合でも、これを機会に経営方針について説明し話し合う場を持つことをお勧めします。
身内だけで経営をする場合には特に、経営計画を作成するという習慣もなく、経営方針について話し合うという機会も少ないケースが多くありますので、これを機会に話し合うことは互いに将来へ向けての貴重な経験となるでしょう。
また、社内広報の際には、何らかの広報・説明資料を作成すべきです。
目的・目標・方針といった文章計画と、損益計画・貸借対照表計画といった数値計画を全て広報資料としても良いですが、従業員向けに要約した分かりやすい資料を作成しても良いでしょう。
その際に、従業員それぞれが、自部門や自身の目標や活動計画を書き込めるようなものを準備するのが望ましいと言えます。
そして実は、最も良い社内広報の方法は、中長期の経営計画の策定段階から、従業員に参画してもらうしくみを作っておくことです。
中長期の経営計画の策定の初期の段階で、トップが経営に対する思いや方針を伝え、具体的な目標や施策は従業員に考えて提案してもらうという方法を取れれば、従業員の理解度の高い計画が出来上がるとともに、計画策定の過程を通じて従業員教育もできるという大きなメリットがあります。
特に、経営者が後継者を育てたいと思っているときは、後継者候補に中長期経営計画づくりのリーダーを担ってもらうことは、後継者の育成および、後継者と従業員のコミュニケーションを高めることに大きな効果があるでしょう。
そして何よりも、経営者自身と後継者のコミュニケーションを密にすることに、大きな効果があるものです。
次回は、社外広報について書きます。
このような経営計画は役に立たなくなる可能性があります |
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その㉘ |
計画内容について一部の者しか理解していない。 |