中長期の経営計画では、今までのやり方を変える、あるいは新しいことに取り組むといった、革新的な施策や活動を取り入れるケースが多くあります。
そのような革新的な計画を、今までの組織や人事でほんとうに実現できるのかということは、極めて重要な検討課題です。
組織については、経営計画の策定を機会に、例えば、次のようなことを検討します。
@商品群ごとに事業部や営業部を分けている場合に、顧客が同じなら組織も顧客ごとの事業部や営業部に再編成した方が、顧客満足度の高い対応ができるのではないか?
A新製品については、今までと違う組織でプロジェクト的な対応をした方が、機動的な運営や思い切った提案をできるのではないか?
B営業と生産の組織を分けている場合に、生産から営業まで一気通貫の組織に再編した方が、機動力のある経営ができるのではないか?
C業務管理系の仕事は、できるだけ一つの組織にまとめた方が効率的ではないか?
人事については、責任者を始めとした担当者の人事異動の必要がないかを検討します。
@悪い成績の続いている部門については、中長期経営計画の策定にかかる組織改編に伴って、責任者を始めとした担当者の異動を検討する良い機会です。
A新事業や新製品を担う新しい部門を新設した場合は、キーパーソンの配置が必要となりますので、他の部門からの抜擢や新規採用も必要となります。
B縮小計画の部門から拡大計画の部門への人員の異動は、中長期の経営計画の遂行には欠かせません。
C会社全体が人員削減せざるを得ない計画の場合は、思い切った組織改編と人事異動を行わねばならないことが多いでしょう。
いずれにしても、組織改編や人事異動については、全ての人が納得し快く受け入れるということはほとんどありません。
トップダウンで強引に実施せざるを得ない場合も多くありますが、中長期の経営計画のスタートにあたりその必要性をよく説明し理解を得るように努力することが、今後の従業員のやる気に大きな影響を及ぼします。
組織や人事の刷新計画は、革新的な中長期経営計画実現のためのキーポイントになることが多いので、重要施策の一つとして組織・人事計画を中長期の経営計画に含めるか、あるいは計画策定後ただちに組織・人事計画を追加することが大切です。
次回は、人事評価のしくみの新設や変更について記載します。
このような経営計画は役に立たなくなる可能性があります |
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その㉖ |
組織や人事について思い切った手を打てない。 |